受賞者紹介

第53回 社会貢献者表彰
とくていひえいりかつどうほうじん にほんほすぴたる・くらうんきょうかい

特定非営利活動法人 日本ホスピタル・クラウン協会

(愛知県)
特定非営利活動法人 日本ホスピタル・クラウン協会 理事長 大棟 耕介
理事長 大棟 耕介

クラウンとは、日本では「ピエロ」という名称だが、ヨーロッパ伝統芸能の役名のひとつで、正式には「クラウン」という。2003年、理事長の大棟耕介さんがクラウンのスキル向上のため渡米した際に、アメリカのクラウン仲間に誘われて病院などでの“ショー形式”ではなく病室を訪問したことがきっかけとなり、帰国後、ホスピタル・クラウンを始めた。活動を広げるために2005年11月にホスピタル・クラウン協会を設立し、2006年5月に特定非営利活動法人を取得。ホスピタル・クラウンは、定期的に小児病棟を訪問し個々の病室へ入り療養中の子ども一人ひとりと丁寧に関わり、ナーバスになりがちな子どもの心を笑いで癒している。
「笑う」ことは、治療に立ち向かう気力を取り戻したり、周囲の家族や病院のスタッフにも働きかけることで病棟の雰囲気が明るくなる効果もあり全体の関係が潤滑になることも期待されている。当協会では、クラウンの認定制度を導入しており、病院という特殊な環境に対応できる優れた人材を育成するために慎重に人選している。毎年、一定レベルの技術と継続の意志を確認し、認定更新を行っている。2018年9月現在、全国94病院106名のクラウンが定期的に訪問している。その他、被災地の避難所等を訪問するなど活動も行っている。

推薦者:あい診療所

この度は、素晴らしい賞をいただきまして誠にありがとうございます。

授賞式では社会貢献支援財団の方々や各地で活躍されている多くの皆様の活動を知ることができる貴重な機会となりました。この場を借りて御礼申し上げます。

私たちは、2005年に愛知県名古屋市の名古屋第一赤十字病院から活動を開始しました。

当初は、わずか5名のクラウンからのスタートでした。その後多くの仲間が加わり、2019年には北海道から沖縄まで150名のクラウンたちが全国94の定期訪問病院での活動を日々続けています。

特別なイベントなどではなく、月に1回、2回と決められた日に定期訪問を行うことで子どもたちからの信頼を得て、慎重に時間を掛けて距離を縮めています。

クラウンの訪問は子どもたちとの約束ですので私たちの都合で休むことはありません。近隣で活動するクラウンが行けなくなる場合は、他の地域から新幹線や飛行機を使ってでも病院へ行きます。それは私たちの想像以上に子どもたちはクラウンの訪問を待っているからです。

このように15年間コツコツと活動を続けてきたことで、多くの子どもたちと出会うことが出来ました。

ある病院で「入院したらクラウンに会えるからまた入院したい」他には、風船をもらって「今日、病院にいて良かったね」と言っていた子どもがいました。子どもにとって毎日の辛い闘病生活が楽しい思い出になった瞬間だったのかもしれません。

子どもたちだけではなく家族も辛い入院生活と闘っています。大人たちが一瞬笑うことで子どもたちも笑顔になり病室全体が楽しい雰囲気になります。

私たちの活動は病院の小児病棟内という限られた空間での活動ですので、多くの方の目に触れることの少ない活動です。しかし全国には、辛い病気と闘っている子どもたちが多くいます。私たちは医療従事者ではありません。病気を治すことは出来ません。子どもたちが子どもらしく笑顔でいられる、そして家族が笑顔でいられるそんな環境作りのお手伝いがクラウンの役目だと思っています。子どもたちが元気になって退院して外で再会することが何より嬉しいです。

これからも子どもたち明るい未来のために頑張ります。

理事長 大棟 耕介

  • クラウンと病院の職員の皆さん
    クラウンと病院の職員の皆さん
  • 入院中の子ども達からのプレゼント
    入院中の子ども達からのプレゼント
  • 2019クラウン大集合
    2019クラウン大集合
  • クラウンKと女の子
    クラウンKと女の子
  • クラウンと子どもの楽しい時間
    クラウンと子どもの楽しい時間
受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」