受賞者紹介

第49回 社会貢献者表彰

社会貢献の功績

こーらる・ねっとわーく

コーラル・ネットワーク

(神奈川県)
コーラル・ネットワーク 事務局長 宮本 育昌
事務局長 宮本 育昌

世界中で行われている科学者・地域住民・レジャーダイバーによるサンゴ礁モニタリング(観察・監視)「リーフチェック」を日本国内で普及・推進するため、1998年に設立されたネットワーク。リーフチェックの結果は公開され共有されている。活動を普及するため、勉強会やワークショップ、サンゴ礁モニタリングリーダー養成講座の開催を行っている。事務局長の宮本育昌さんは国際会議等に参加し、日本国内のサンゴ礁保全の取り組みを紹介する提言活動も行っている。

推薦者:NPO法人 黒潮実感センター
サンゴ骨格染めワークショップの様子
サンゴ骨格染めワークショップの様子

この度の社会貢献者表彰の受賞を大変光栄に感じております。

当会はスキューバダイビングを楽しむダイバーが中心となり1998年に設立した組織です。1997年の第1回国際サンゴ礁年を契機に始まったサンゴ礁の健康診断「リーフチェック」を推進・実践すると共に、サンゴ礁・サンゴ群集の保全に向けた都市部での啓発活動を行っています。

サンゴ礁・サンゴ群集の保全を進める上で必要なことの一つに、「現状を明らかにする」ことが挙げられます。ところが、サンゴ礁・サンゴ群集の研究者の人数、そして調査が行われている場所が限られていたため、状況が把握できているサンゴ礁・サンゴ群集は世界の一部だけでした。研究者による詳しい調査はもちろん大事ですが、サンゴ礁・サンゴ群集を保全するにはそれだけでは十分ではありません。世界的な危機にあるサンゴ礁・サンゴ群集が全体として「どうなっているか」分からなければ、「どう守れば良いか」は分からないのです。このことに危機感を覚えたサンゴ礁学者達が集まり、科学的かつ簡便な方法として考案されたのが「リーフチェック」です。「リーフチェック」は、ボランティアでも理解・実施できる方法を採用することで、より多くのサンゴ礁・サンゴ群集の調査を可能にしました。

当会は、1998年の発足以来、日本において「リーフチェック」の拡大に取り組んできました。サンゴ礁・サンゴ群集の健康状態について懸念する各地のダイビングサービスやNPOに対し、当会からメンバーを現地に派遣して調査の方法を指導すると共に、調査の正確性を担保する科学者の紹介やリーフチェックチームの運営支援を行っています。また、サンゴ礁・サンゴ群集の保全に興味を持つダイバーを対象としたサンゴ礁モニタリングリーダー養成講座を開催し、調査方法だけでなくサンゴ礁生態系についての知識を提供しています。

さらに、より多くの方にサンゴ礁・サンゴ群集保全に取り組んでいただけるよう、都市部での啓発活動を行っています。その一つがサンゴの骨格の模様を布用クレヨンで写し取る「サンゴ骨格染めワークショップ」です。これは、オリジナルのハンカチやTシャツを作り、普段の生活の中で使っていただくことで、美しいサンゴ礁を思い出し、保全に取り組んでいただくきっかけとしたい、という想いで考案したものです。

折しも2018年は第3回国際サンゴ礁年であり、サンゴ礁保全に向けた取り組みが世界中で行われます。当会も今回の受賞を梃子として、さらに活動の拡大を図っていく所存です。

コーラル・ネットワーク
事務局長 宮本育昌

  • リーフチェックの様子
    リーフチェックの様子
  • リーフチェックの様子
    リーフチェックの様子
  • リーフチェック渡嘉敷 結果報告会参加証
    リーフチェック渡嘉敷 結果報告会参加証
  • リーフチェック渡嘉敷の事前勉強会の様子
    リーフチェック渡嘉敷の事前勉強会の様子
  • リーフチェック渡嘉敷の調査開始前の集合写真
    リーフチェック渡嘉敷の調査開始前の集合写真
受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」