受賞者紹介

第49回 社会貢献者表彰

社会貢献の功績

なかじま まさはる

中嶋 將晴

(兵庫県)
中嶋 將晴

ホルン奏者、日本地域活性化プロジェクト総合プロデューサー、舞台演出家などの肩書を持つ芸術家の中嶋さんは、1983年に芸術家や学者、弁護士など広い分野で活躍する人たちで構成された兵庫県芸術家協会(旧明石芸術家協会)を設立し、大きく3つの活動を行っている。一つは「兵庫県民のための三世代ミュージカルオペラステージ」の開催で、地域の人たちと作り上げる舞台公演。二つ目は「異人館の街に愛の調べチャリティーコンサート」の開催で、今年で34回目を迎え、収益は里親制度を推進する団体へ寄付される。三つめは、地域間交流や人々の絆を深め心を育てる「こころの教育大学」の開催で、趣旨に賛同する企業や、自治体などと連携し、各分野の専門家が集まりコンサートなどイベントを行う。音楽を通じたボランティア活動を続けている。

推薦者:橋本 明

この度は、素晴らしい賞をいただきまして、誠に光栄でございます。それと同時に、身の引き締まる思いでいっぱいです。授賞式におきましては、社会貢献支援財団の方々をはじめ、各地で様々な素晴らしい活動をしておられる方々の、貴重なお話しをお伺い致しまして、持続させることの大変さと、大切さを改めて深く感じさせていただきました。

心の教育大学~親と子のキラメキコンサート(全国の保育園や幼稚園へ生演奏とアートワークショップを届けようをテーマに教育機関に協力開催しています)
心の教育大学~親と子のキラメキコンサート(全国の保育園や幼稚園へ生演奏とアートワークショップを届けようをテーマに教育機関に協力開催しています)

私の活動につきましては、核家族が増加し、世代間交流や、地域との関係性が希薄になっている、といわれている現代において、「地域における人々の心のふれ合いと、世代を超えて、交流のできる温かい場所が欲しい。」と切望致しておりました。そんな時に、阪神淡路大震災が起こり、神戸市東灘区にて、被災しました。苦労の末、大震災から1年後に、ようやく明石に移り住んだ私は、大震災を乗り越えて、改めて人々の繋がりと、絆の重要性を心から痛感致しました。そして、こんな時だからこそ芸術の力で人々を励まし、元気づけ、今後の幸せにつながるような事をしなければ!…との熱い思いで明石芸術家協会を、大震災から1年半後に設立致しました。

その後、活動は大きく広がり、2014年に『兵庫県芸術家協会』と改めました。現在、大きくわけて3つの活動を行っています。まず一つは、三世代の心を育てる童話をテーマにしたミュージカルで、世代間交流と、自己表現をしながら、人々が輝く事を目的とする『兵庫県民のための三世代ミュージカルオペラステージ』公演の開催です。台本と歌は、個性を大切にし、出演者一人一人が輝やけるように、全てオリジナルで作成し、歌唱とミュージカル演技は、出演者全員が自信を持って、公演本番のステージに立てるように、基礎からみっちりと指導。そして小道具、大道具、衣装は、出演者とその家族、そして地域の方々も得意分野を活かして、皆で協力をしながら、全力で舞台公演を作り上げて行き、その関わりと、同じ達成感を味わう中で、絆を深めつつ、温かい心を育んでいます。

これまでの参加者の中には、いじめにより心を病んでいた学生さんも病気により障害が残り自信を失っておられたお母さんも三世代ミュージカルにより、自信と元気を取り戻し、ご家族との絆をより一層深められました。この活動を続けてきて、本当に良かった、と改めて思えた瞬間でした。二つ目は、様々な理由で親と一緒に暮らすことができない子供達の幸せを願う『異人館の街に愛の調べチャリティーコンサート』の開催です。幼い里子の女の子との出会いをきっかけにして誕生したこのチャリティーコンサートは、今年で34年目を迎え、収益は、里親制度を推進する公益社団法人家庭養護促進協会を通じて、様々な事情で親と暮らせない子供達に贈り続けています。趣旨に賛同する演奏家達が集結し、地域の人々と共にボランティアとしてチャリティーコンサートに参加。プログラムの終盤には、来場者と心を一つにして四季折々の愛唱歌を歌う温かい雰囲気でのこのチャリティーコンサートは、すでに100回以上開催しています。

子供達へのチャリティーと共に、音楽の技術だけにとどまらず、このような活動を通して、思いやりの心と、助け合う精神を継承する等、次世代の芸術家と、ボランティアの育成も大切にしています。三つ目は、地域間交流と、人々の絆を深めながら、心を育てる重要性を次世代に伝える『こころの教育大学』です。内容は、趣旨に賛同する企業や各県・市・教育委員会と連携をしながら各分野の専門家たちが集結し、命の大切さ、表現する事の素晴らしさ、人は芸術や自然に触れて、感動をしながら、心を育み続ける事が出来る等、大切なことを伝え続けています。

又、「地域活性化プロジェクト」として全国各地(リゾートホテル、国宝のお寺、図書館、水族園、その他)において、芸術家達と、地域の人々が連携して楽しむアート体験型ワークショップや、五感と想像力、感受性を育てる3D音楽物語。他には医療機関でのホスピタルアート&コンサート等も開催しています。私は、この度の素晴らしい受賞に際しまして、これまでご指導いただきました恩師、そして活動の趣旨に賛同し、参加ご協力をして下さった方々への感謝の気持を改めてお伝えすると共に、今後も次世代を担う宝である子供達に芸術を通し、夢と希望を提供し又、ボランティアの方達には、人々の幸せを願うと同時に、ご自身の大切な生き甲斐として輝く事のできる社会となりますように、と願っております。

私は今回素晴らしい、賞をいただきました事を節目として、初心を忘れずに、新しい企画と、人々の絆の輪を繋ぎ続けることを大切にして、今後もより一層の努力をしてまいりたいと思っております。そして、なによりも温もりのある家庭と、家族愛を大切にした里親制度が、より多くの国民に知られ、広まり、その重要性を理解されて、一人でも多くの子供達の幸せに繋がることを心より願っております。この度は、素晴らしい賞を頂きまして誠にありがとうございました。心より厚く感謝とお礼を申し上げます。そして、関係者の皆様には、大変にご親切にお世話をしていただきました。本当にありがとうございました。最後になりましたが、貴財団の更なる御発展を、心よりお祈り申し上げます。

P.S.
「心の教育大学」心に残る冬のイベントとしまして12/15~2泊3日で里親さんと子供達30組を大阪⇔大分の船旅にご招待する事が出来ました。船上コンサートで、目をキラキラと輝かせていた子供達。ほのぼのとした笑顔の里親さん達のお幸せそうな様子が、私の心に残っています。皆さんに、いっぱいの元気をもらう事が出来ました。

  • ひょうご県民のためのミュージカルオペラステージ(三世代ミュージカルは今年で20周年を迎えました。脚本・演出・作曲を中嶋將晴がしています)
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  • メルセデスベンツ車体に描くペインティングパフォーマンスチャリティーイベントで制作テーマ“未来へつなごうKIZUNA”(企画&監修:中嶋將晴の呼びかけにより国内外で活動している様々の分野のアート作家が参加)
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  • 異人館の町に愛の調べチャリティーコンサート(来年で35周年を迎えます)
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  • 三世代ミュージックアートフェスティバル(年企業と共催で船内で体感コンサートを開催し毎年里親と里子の家族30人を招待しています)
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  • 兵庫県立がんセンターロビーコンサート(入院患者と家族、病院関係者の為の年4回約1時間の参加型コンサート)
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受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」