受賞者

第46回

人命救助の功績

こばやし のぶひと

小林 信人

(岩手県)
ささき たけひろ

佐々木 武広

(岩手県)

平成26年5月12日午後5時頃、大浦漁港で遊んでいた3人の児童の内、男児1人が誤って海に転落し、子どもたちの騒ぐ気配を聞きつけた小林さんと佐々木さんが駆けつけたところ、岸壁から5mほど先に男児がうつ伏せで浮いていたことから、小林さんは海に飛び込んで救助し、佐々木さんが引き上げた。すぐに男児を佐々木さんの仕事場へ運び、服を脱がせて暖を取らせ、救急車の手配をした。病院へ運ばれた男児は2日間後退院した。

推薦者:山田町立大浦小学校
小林 信人
小林 信人
佐々木 武広
佐々木 武広

「今後も同じように」

水難事故のあった平成26年5月12日のあの日、私は所有している漁船の燃料のガソリンを買った帰りに、まだ作業小屋で仕事をしていた漁師仲間の佐々木武広さんのところに寄って、その日に口開けしたウニ漁の様子を話し合っていました。
もう夕方の5時に近い時間なのに、その年に小学校に入学したての子どもたち3人がはしゃぎあって遊んでいるのを、「もう遅い時間なのに…」と思いながらも気にもかけずに佐々木さんと話し合っていました。
するとその時、子どもの泣き叫ぶような悲鳴のような変な声が聞こえてきました。佐々木さんに「ふざけて遊んでいるのだろう」といいましたが、佐々木さんはどうも気になったらしくて作業小屋から出て様子を見にいきました。
「子どもの一人が海に落ちている!」という声が聞こえてきて、私も急いでその現場に向かったところ、岸から5メートルくらい離れた所に男児がうつ伏せで浮いていました。佐々木さんは丁度近くにあった私の漁船で助けようとしていましたが、私は船を係留しているロープを外す時間を考えると余裕はないと判断して、「海に飛び込んで救助する」と佐々木さんに告げて、履いていた長靴だけを脱いで海に飛び込みました。
男児のところまで泳いでいき、とにかく海面にうつ伏せになっている状態を何とかしなければと思い、男児の襟のところを掴み海面から顔を引き上げるよう高く上げて自分のおなかの上に抱き、一生懸命に岸まで泳いで行って、待っていた佐々木さんに引き上げて貰いました。その後、男児が海水を飲んでいるのではないかと思い、うつ伏せに体を置いてみたところ、海水を吐き出したので安堵したのですが、大事をとって病院で診察してもらった方がいいのではないかと思い、救急車の手配をしました。救急車を待つ間、海に落ちて冷えた体を温めなくてはいけないと思い、佐々木さんの作業小屋でストーブを炊き、暖を取らせました。その当時の山田湾の海水温は8度前後だったとおもいます。そして間もなく男児は救急車で病院に搬送され2日間入院してどこも異常なく無事に退院しました。

その後、私の家に家族の人たちと一緒に元気な姿を見せにきてくれました。照れくさそうに母親の後ろに隠れながらも「おじちゃん、ありがとう」と言ってくれて、まだこんなに小さい子の命が助かって良かったと思いました。

また、あの時の私はこの男児を救助する事に全く迷いがなく、あの東日本大震災の時に2人の老人を津波から救助した体験もあり、自然に体が動いたのではないかと思いました。でも、妻には私の体のことで色々と叱られました。実は私は狭心症の症状を予防する薬を服用しているからです。しかし今後また同じようなことが起きても同じことをすると思います。そして今回この栄えある賞をいただき、知人友人恩師や色々な方々から祝福の御言葉をただきき本当に嬉しくありがたく光栄なことと思いました。

漁業 小林 信人
漁業 佐々木 武広