受賞者紹介

平成21年度 社会貢献者表彰

人命救助の功績

ゆあさ ひろし

湯浅 洋

(55 歳/東京都江東区)
湯浅 洋
平成 20 年 6 月 8 日午後 0 時 33 分頃、東京の外神田で発生し 7 人の命が奪われた秋葉原無差別殺傷事件の現場にタクシーを運転中に居合せた。被疑者の車両が通行人を次々になぎ倒していくのを目撃し、被害者の救護に当たっていたところ、走ってきた被疑者にナイフで刺され右胸部血気胸、横隔膜損傷、肝損傷出血性ショックの重傷を負った。
推薦者/財団法人 警察協会

受賞の言葉

他の方々の表彰を拝見しその功績のすばらしさに感動いたしました。 又常陸宮同妃両殿下をはじめすばらしい来賓の方々に祝っていただきあらためて受賞の大きさを感じました。 これから先私は、この賞に羞じない様生きていこうと思います。 有り難うございました。

私の職業はタクシー乗務員で、その日ちょうど事件のあった交差点で、信号待ちをしていた。歩行者天国の日曜日で人出も多く賑わっていた。

その時正面からトラックが赤信号の中スピードを出し人々をはねながら交差点に突っ込み、そのまま私の横を通り過ぎて行った。見回すと、たくさんの人の悲鳴の中、何人もの人が倒れていた。すぐ救助をしなくてはと車を降り、近くに倒れていた人の所へ寄り「だいじょうぶですか。」と声をかけ、息を確かめた。

その時、後ろから何かがぶつかってきた感じがしてふり返った。すると離れた所で、人の背中を何回も刺している犯人の後ろ姿があった。まさかひき逃げをした犯人がナイフを持って引き返し、次々におそっているとは思いもしなかった。

腹が急に熱くなり、鼓動が強く体を揺すりはじめ、胸から血があふれ流れて来た。激痛が走りだすと立っていられず、その場に転げ回り、救助される立場に変わってしまった。

私は、テレビのニュースで重傷と伝えられたが幸いにも命はたすかった。人を助けようと行動はしたのであるが、一人も助けられなかった事が悔やまれる。

Mr. Hiroshi YuasaMr. Hiroshi Yuasa

(55 years old, Tokyo, Japan)
Mr. Yuasa, a taxi driver, saw a man hit by a car driven by a murder suspect in Akihabara at noon on June 8, 2008. When he came to the rescue of the victim he suffered serious injuries when he too was attacked and stabbed in the stomach with a knife.
Recommended by Police Association