受賞者紹介

平成20年度 社会貢献者表彰

社会貢献の功績

にんちしょうをささえるかぞくのかい かまくらりんどうのかい

認知症を支える家族の会
 かまくらりんどうのかい会

(神奈川県)
認知症を支える家族の会 かまくらりんどうのかい会 代表 木場 貞雅
代表 木場 貞雅
平成元年に鎌倉市において認知症を抱える家族の会により活動を始めた。同病の情報交換や理解の促進などに併せて高齢者福祉の問題を提起し、行政や公共機関にとっても認知症や介護の問題、ニーズを的確に把握できる貴重な存在になるとともに市民の相談にも応ずるなど、地域の福祉活動として続けられている。

受賞の言葉

私たちの会は認知症の人を助け、認知症の人の家族を助け、問題を1人で抱え込まないで相談に来てください、と声賭けをして20年、無我夢中で過ごしてきました活動が走馬灯のように胸に去来し今回のご褒美はかまくらりんどうの会150人強の会員全員がいただいたのだと心から思いました。推薦をいただきました社会福祉協議会の役員さんにお越しいただき、私共の会からは12名出席させていただきまして感激の為皆涙いたしました。

「かまくらりんどうの会」(「りんどうの会」)は、認知症(当時は痴呆症)が社会的な問題となりつつあった昭和60年前後、鎌倉市や同保健所、同社会福祉協議会の後援で開催された「痴呆老人を抱える家族のつどい」に参加した家族により平成元年に自助団体として発足した。

その後家族で出来る介護の知恵を分かち合い、家族間の横のつながりを持ち、理解促進、そして福祉の向上を図ることを目的に活動している。現在、会の代表は同病の奥さんの介護を続ける木場貞雅さん(67歳)である。

りんどうテレフォン

「りんどうの会」の発足当初は、16人の会員であったが、その後約20年を経た現在、152人に増加している。全国的な組織である「認知症の会」があるにもかかわらず、より直接的な市民の会としての意義がうかがわれる。

会員は同病の人を介護している人(A会員72人)、介護した経験のある人(A’会員30人)、目的の賛同者(B会員50人)で構成され、会費により運営されている。

左から二人目木場代表
三人目鈴木代表代行

活動は会員内の情報交換による同病への対応から、毎月発行する会報による医療、福祉などの情報の提供や「りんどうテレフォン」を開設し、一般の人を対象にした悩みの相談まで範囲は拡がり、市側にとっても同病の介護の問題やニーズを把握する貴重な存在になっている。また福祉政策の一端を担う団体として側面的な協力もしている。

同病は、時として特異行動があり、それが問題行動として一般施設では受け入れてもらえない。そのような場合の「かけこみ寺」として、「りんどうの会」は同市に同病専門の病床を設置し、利用出来る施設の提供を依頼するために市民3,672名の署名を集め要望書を提出中である。

高齢化社会を迎えるなかで、同病は地域で誰もが抱える問題であり、他人事ではない。「りんどうの会」は、同病の高齢者が家族と共に地域で平和に暮らせるために活動を続けている。

(功績の概要・推薦者:社会福祉法人 鎌倉市社会福祉協議会)

Kamakura Rindo no kai

(Kanagawa Prefecture)
It started as a circle whose family members suffer from dementia, in Kamakura city in 1998. They support the mutual contacts among different families and promote understanding about dementia, information exchange and upgrading of welfare services. They have been instrumental in proposing widely the problems of welfare for the aged people and in understanding the needs of such population. They provide consultations and assistance for the citizens related to dementia as a local welfare activity.
Recommended by Council of Social Welfare in Kamakura-shi