受賞者紹介

平成18年度 社会貢献者表彰

第三分野/特定分野の功績

ハッピーファミリー賞
にしかわ かおる

西川 カオル

(大11. 8. 19 生)北海道虻田郡
西川 カオル
1947年、16人の大家族の農家の長男に嫁ぎ、嫁としてそして母親代わりとして、朝早くから夜遅くまで農作業をしながら、生活をやりくりし家族の融和に努め、弟7人の独立、姉妹7人を嫁がせるとともに、子供4人を育てあげた。
推薦者:濱岡 則子

受賞の言葉

この度は 名誉ある賞を頂き 感謝いたしております。
今まで周りの皆様に助けられ、ただ一生懸命生きてきただけなのに、本当にありがとうございます。
思い返せば、あっという間の年月でした。多くの兄弟姉妹の方が自立していく姿と、子供達が育つ喜びの日々が苦労を癒してくれたと思います。今まで私を支え、助けて頂いた皆様に感謝いたします。これからは、子ども達、孫達に見守られ楽しく生きていきたいと思います。

西川家は、祖父の時代に、福井県から北海道に大志を抱いて渡り、裸一貫で荒地を開墾し畑を持った農家で、「三健和合」という家訓がある。「身体・精神・経済」が健全であってこそ、平和で幸せな人生が歩めるというものである。

戦後間もなくの北海道の農村で、大家族で食べていくことは容易なことではなかった。そんな中、西川さんは夏は未明から暗くなるまで、家族総出で農作業、そして冬は暗いうちから雪道を歩き4km離れた小学校の用務員、その後は冬山の砕石現場のアルバイト等をしながら、暇なしに働いて家計を助けた。嫁姑の関係では、常識非常識は相手の常識で判断した。また自分の子供と兄弟姉妹の関係は、相手の身になって考えるよう諭し、和をもって善しとし、大家族の中で起こる毎日の様々な不平不満からの諍いを上手にまとめた。子供の教育は農作業をしながら対話方式で行い、畑の地面や雪を黒板代わりに、親として教えられることの全てを教えた。

親身に看病したお姑さんが他界してからは、一家の母親としても心を配った。現在西川さんは84歳、子供たちを全員独立させ、ご主人を数年前に亡くし、住み慣れた実家で一人暮らしをしている。実家は約50年前に家族総出で山から切り出した材木で造った思い出の家である。高齢での一人暮らしを心配する長男の家に冬期間だけ身を寄せ、4月を待たずに実家に戻って農作業をしている。

西川さんの人生を振りかえると、勤勉で人生に真っ直ぐだった日本の母親たちがいたからこそ、今日の日本があるのだと思わずにいられない。

昭和50年頃の農作業
家族との会食

Ms. Kaoru Nishikawa

(born August 19, 1922) Abuta County, Hokkaido
In 1947, Ms. Nishikawa married the eldest son of a large farming household having 16 members. First as a young wife and then as substitute mother, she worked in the fields from early in the morning to late at night, while at the same time trying to make ends meet and maintaining harmony in the family. She simultaneously raised her husband's seven younger brothers to independence and married off his seven younger sisters, and brought up four children of her own.
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