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受賞者紹介

平成17年度
第3部門 特定分野の功績 海の貢献賞
こうい もとまさ
【受賞の言葉】
 ディーゼルエンジンの製造に永く携り、仕事としてコツコツと手がけてきたことが評価されて、この様なすばらしい賞を頂くことができ大変喜んでおります。
 一緒に仕事をしてきました仲間や、受賞に際して色々とご支援を頂きました関係者の方々に御礼申し上げます。
 これからは何事にも根気よくチャレンジしていけば必ず道は開けることを、若い人達に伝えていきたいと思っております。
厚井 基正  (昭20. 1.14生)滋賀県甲賀郡


船舶搭載の中速発電用機関の主要部品「燃料高圧管」接合部の摩擦圧接技術と内面研磨技術の改良に成功し、低質油のC重油焚きを可能にすると共に高圧管仕上げ作業の技術継承に尽されている。
(推薦者:(社)日本舶用工業会)

Mr. Motomasa Koui
(Born on January 14, 1945) Shiga Prefecture

Mr. Koui's successful improvement of friction welding and inner-surface grinding techniques for "high pressure fuel pipe" junctions, a vital part of middle gear power generators for ship embarkation, has, along with making possible the burning of Bunker C low-quality fuel, changed high pressure pipe finishing into the work of novices and contributed to the succession of technology.
Recommended by Japanese Marine Equipment Association



 昭和42年、厚井さんはダイハツディーゼル(株)に入社し、技術部門の3年を経て工場部門の生産技術部に配属され、今日まで生産技術に携わってきた。同社は舶用主機関、舶用発電用機関を中心に生産、販売を行ってきたが、高効率高出力中速機関、低質油低燃費機関、排ガス規制・エネルギー事情・燃料油性状変化と環境規制に対応した機関など、次々と時代の要請に応じた機関を世に送り出してきた。
 その間、厚井さんは、それらの機関の対応技術に取組み順次解決してきた。特にオイルショック時に、それまでの船舶搭載A重油焚きの中速発電用機関に、大型主機関と同様の低質油のC重油焚きを可能にすることが早急に求められた。その主要な部品が燃料高圧管であり、求められたのはC重油を完全燃焼させるための管内の噴射圧力の上昇に耐える技術であった。
 それまでの燃料高圧管は、一般にSTS(高圧配管用炭素鋼鋼管)材を冷間絞り加工で形成していた。この加工では、工程上回避できないシワやキズが管内に発生する。また、高圧に対応する材料としてSCM(クロムモリブデン鋼)が用いられ、このシワやキズに敏感に反応して破断することが懸念された。破断は場合によって船舶火災を招く恐れもあり、SOLAS条約で二重管方式が義務づけられている機関最重要部品のひとつである。小径の高圧管の場合、ガンドリルでは管の長さに自ずと制約があったが、厚井さんは日夜検討を重ね、接合部の摩擦圧接技術と、内面の砥粒による研磨技術について試行錯誤の結果、機関の噴射性能を落とすことなくキズ、シワを除去する装置と加工要領を完成させた。
 さらに、厚井さんは、高圧管の仕上げ加工作業を「職人の技」から「素人の技」へと改良を加え、技術継承に貢献している。



船舶用補助機関

高圧管加工現場