受賞者紹介

第58回 社会貢献者表彰
えぬぴーおーほうじん にほんこどもしえんきょうかい

NPO法人 日本こども支援協会

(奈良県)
NPO法人 日本こども支援協会 代表理事 岩朝 しのぶ
代表理事 岩朝 しのぶ

2010年に岩朝しのぶさんが発足させた里親制度の普及啓発活動を行う団体。虐待等で保護者と暮らせなくなった子どもたちは、日本に約4万5千人いる。そのうちの8割が児童養護施設などで育てる施設養育となる。一方、家庭的な環境で子どもを育てる制度には、養育里親、特別養子縁組などがある。里親の経験を持つ岩朝さんは、厳しい環境にある子どもを早い段階で適切な環境に置いて、その子どもが親になったとき、次の世代に貧困や虐待を持ち越さないために、里親制度が有効であると実感し、もっと広めたいとの思いから、里親の必要性と里親の不足から委託できる子どもが限られている実情を改善するべく普及啓発の活動を行っている。2016年からは、毎年10月4日の「里親の日」に普及啓発の全国一斉キャンペーン「One Love」を開催。里親が必要な子どもの数と同じ4万5千枚のハート形カードを作成し配布する。コロナ禍ではデジタルキャンペーンとしてSNS上で展開した後、すぐに何十万と拡散された。今後は両方でキャンペーンを行う予定。普及啓発を中心に活動してきたが、コロナ禍で里親の地域交流がなくなり、課題を抱えた子どもを養育している里親のギブアップが増加。対策として2年前からオンラインサロンを毎週土曜日に開催している。多いときは全国で35人程が参加し、里親の安心感に繋がっている。

推薦者:NPO法人 日本こども支援協会

この度は大変光栄な賞をいただきまして、そして最大級の労いとおもてなしをありがとうございました。2010年から活動を始め、12年の間、ここまで労われた事もご厚意をいただいたことも無かったので、大きなご褒美に感激しております。

何とかして子ども達の人生、そしてその次の世代の人生も守ってあげたい、支えてあげたいという思いだけで12年間走り続けてきて、その思いを貫きたいがためにお金も時間も使ってきました。そんな私たちに「賞金はご自身の為に使ってください」と仰っていただき、その言葉にハッとしました。そして、普段は活動で里親さん達に「里親さんも時々は休んで楽しんでください」と伝えている私達が、自分を大切にしていかなければならないと思いました。エンパワメントの大切さを改めて感じました。この表彰で、とても大切な事に気が付くことが出来ました。ありがとうございました。

虐待や育児放棄、服役や精神疾患、経済的など様々な理由で親と離れて暮らす子ども達は全国に42,000人います。ほとんどの子ども達は愛着形成が出来ておらず、まだ人生が始まったばかりだというのに、既に生き辛さを抱えている子も多くいます。

児童虐待事件があると「親に厳罰を」と非難する方がいます。かつての私もそうでした。なんてひどい事をするのだろう!親も同じようにしてやればいい!なんて事を思う事もありました。しかし、活動を深めていくにつれ、それは浅はかで意味が無い事を知ります。

親に同じ事を!だなんて……かつては“されてきた側の子どもだった”親が多いのです。そこに厳罰を科しても、意味が無いのです。きっと必要なのは人の温かさ、愛情や親切なのです。

私たち日本こども支援協会は里親制度の普及啓発と里親支援に注力しておりますが、一番願うのは「里親が必要とされない社会」です。

子どもが愛され、大切にされて心豊かに幼少期を育んでくれば、生きているのが辛い、死にたい死にたいと生きていく事も無いでしょう。親になった時に、我が子に折檻する事も無くなるでしょう。愛着をしっかりと形成し、何かメンタルに強いストレスがかかっても、弾力性のある心で跳ね返し、精一杯生き抜くことが出来るでしょう。

50年後の日本は里親が必要とされないよう、全力で頑張って参ります。

この度は私たちに活力を注入くださりありがとうございました!

代表理事 岩朝 しのぶ

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