受賞者紹介

第56回 社会貢献者表彰
まざーはうす

NPO法人 マザーハウス

(東京都)
NPO法人 マザーハウス 理事長 五十嵐弘志
理事長 五十嵐弘志

元受刑者の五十嵐弘志さんは、受刑者や元受刑者等の支援をするために2012年4月、民間非営利団体マザーハウスを設立。2年後の2014年5月にNPO法人マザーハウスとなる。主に少年院・刑務所にいる人たちの更生改善・社会復帰支援を行っており、受刑者の多くは孤独で、自分と向き合うことができず自暴自棄になっていることから、活動の一つとして受刑者と文通をするプロジェクト「ラブレタープロジェクト」を実施している。全国の約800名の受刑者と約250名の文通ボランティアが交流して、健全な心のふれあいを取り戻すことで再犯を防止することを目指す。元受刑者には、社会との繋がりや人との交わりが重要だと感じ、出所後の生活支援等を中心に、生活保護の申請・住む家探し等の手続きや社会復帰と自立に向けてジョブトレーニングとして「マリアコーヒー」の製造・販売、「便利屋サービス」で引っ越し・不用品処理等を実施し出所者が自分と向き合い、健全な社会生活を送れるように支援を続けている。

推薦者:中谷こずえ

当法人は、2012年4月8日に民間非営利団体マザーハウスとして、元受刑者の当事者である私が、元受刑者・出所者等を支援するために設立しました。2014年5月に晴れてNPO化を果たしました。

マザーハウスは、主に少年院・刑務所にいる人たちの更生改善・社会復帰支援をしています。それは、私自身、刑務所で受刑生活を送っていた中で24時間、ボランティアで高齢者・障がい者・認知症等の受刑者の介護をしてきた経験に基づきます。

多くの受刑者が孤独であり、自分と向き合うことができず、自暴自棄になっている方が多いです。そして、多くの受刑者が心に傷を持っており、人の愛を知りません。その中で、社会とのつながりと人との交わりがとても重要であると感じました。

そして、当事者がお互いに共に生きていくことが更生するのに役立つと思ったのです。なぜなら、当事者だから、同じ体験をしたことがある人だから、お互いが見えてくることがあります。当事者が当事者をサポートし、それを社会の人が支援する組織を作りたいと思い、このマザーハウスを立ち上げました。

私は受刑中、文通者との手紙を通して自分が愛されており、大事にされており、大切にされていることを感じることができました。文通を通して、犯罪被害者の母親とも出逢い、被害者について、償いについて、真剣に考えることができました。

自分と出逢い、悔い改めるには人との交わりと愛が必要です。更生は、自分一人では難しいと思います。なぜなら、更生は社会の中で人との交わりを通してできることだからです。

受刑中の文通で生きた愛に触れ、自分と出逢い、真剣に悔い改めた人は必ず更生できます。なぜなら、自分が愛されていることを実感でき、体験しているから人を大切に、大事にできるからです。社会とのつながり、人とのつながりにより、生きた愛と触れ合うことができるから変われると私は思います。

マザーハウスは今後とも文通を通して受刑者たちと触れ合い、心と心の交流を通して生きた愛に触れていただき、社会復帰してからも様々なサポートをし、共に今を生きていきたいと思っています。

社会貢献支援財団からの受賞を契機にもっと社会の人たちに活動を知って頂きたく、啓発活動に力を入れて行きたいと思っています。特に中学、高校、大学の学生に話をして同じ人間であること、愛の反対は無関心であること、被害者・加害者として対立するのではなく、対話を通して同じ社会の中で共に生きることを目指して行きたいです。

理事長 五十嵐弘志

  • 慰問に来たPaix2(ぺぺ:第55回受賞者)の二人と対談
    慰問に来たPaix2(ぺぺ:第55回受賞者)の二人と対談
  • 更生保護女性会ブースでコーヒー販売
    更生保護女性会ブースでコーヒー販売
  • 犯罪社会学会でのシンポジウム 長期受刑者が体験談を語る
    犯罪社会学会でのシンポジウム 長期受刑者が体験談を語る
  • 対談 犯罪者の回復と裁判の問題について
    対談 犯罪者の回復と裁判の問題について
  • 来日したローマ教皇フランシスコと
    来日したローマ教皇フランシスコと
「ひとしずく」社会課題に立ち向かう方々を応援するサイト