公益財団法人 社会貢献支援財団
受賞者代表・NPO法人 Piece of Syria 代表 中野 貴行さん
皆さま、おはようございます。
本日はこのような素晴らしい場で、受賞者代表としてご挨拶の機会をいただき、大変光栄に存じます。 Piece of Syriaの代表の中野貴行と申します。まず初めに、このような栄誉ある賞をいただけたことに、心よ り感謝を申し上げます。
私たちは、シリアで教育支援をしている団体です。
今、この場には私が立たせていただいていますが、私自身の力は微々たるものです。
10年以上続く戦争の中で、自らも傷つきながら、それでも未来に希望を託して活動している現場のスタッフ、大変な中でも「学ぼう」と校舎に来る子どもたち、そして、私たちの活動を応援し続けてくださっている支援者の皆様、活動を共にする仲間たちが主役だと感じています。
また、本日、国内外で本当に素晴らしい活動をされている方々と共に壇上に立っていることを、たいへん誇りに思います。
私たちは2016年に団体を立ち上げ、まだ10年に満たない団体です。活動を続けられたのは、悩んだ時、行き詰まった時に、驚くほど全ての先輩方がいつも親切に相談にのってくださったからです。
「社会にある問題は繋がっていて、一つの団体で解決していくものではない。皆で力を合わせて解決していく仲間だから」と、教えていただきました。もし私がお手伝いできることがあれば、是非お声がけください。
この活動の原点に立ち返る、私自身の最も大切な出会いについて、少しお話をさせてください。
私は小学生の頃に世界の不平等を知り、「世界を平和にしたい」と卒業文集に書き、いつか国際協力に関わりたいと夢見ました。「現実を見ろ」という言葉に夢を見失うことも多かったですが、青年海外協力隊としてシリアで活動をすることで、その夢の一歩を踏み出しました。
当時のシリアは日本よりも治安が良く、医療も教育も無料で質も高い。世界30位の観光客が集まる観光国で、何より旅人を魅了したのは、人々のおもてなしです。バスに乗ったら隣の人がバス代を払ってくれて、タクシーに乗ったら目的地ではなく家に案内されて、ご飯をご馳走になる、なんて話は、シリアに行ったことがある人なら「よ くあるエピソード」です。
そんなシリアで活動している村で、一生懸命、僕の活動を手伝ってくれる12歳の少女に出会いました。彼女に将来の夢を聞いたところ、「お金持ちになりたい」と言い、理由を尋ねると「お金は天国に持っていけないから、どうやって使うかが大事。私はお金持ちになって、子どもたちの夢を叶える学校を作りたいんだ。そのために、今、勉 強を頑張って、お医者さんになりたい」と教えてくれました。
「きっとできるよ!応援する!」と伝えると、彼女は「あなたのおかげで夢が持てたのよ」と言いました。「夢なんて叶わない、あなたはバカにすることなく、応援するよ、って言ってくれるでしょ。だから夢を持つことができたの」と。
実際、彼女はすごく勉強を頑張って優秀な成績を取っていました。きっと彼女が大きくなった時に、村を、街を、シリアという国、あるいは世界を変えるかも、って思いました。
しかし、僕がシリアから日本に帰った翌年、シリアで戦争が始まりました。その4年後には、彼女が住んでいた村の小学校の校庭は、処刑場になりました。人口の半分以上が避難生活をし、就学率は100%から6%まで低下しました。
いてもたってもいられず、シリア周辺国やヨーロッパ諸国10カ国を半年ほどかけて周り、難民として逃れたシリアの人たちや支援団体の人たちから話を聞きました。
その中で「子どもたちの夢を叶えるための学校を作りたい」と話す、シリア難民の青年と出会い、2016年から彼と共に活動を続けています。
私の活動の夢は、いつか平和になったシリアを訪れ、大人になった少女に「あなたのおかげで夢が持てたよ」と言って、子どもたちの夢を叶える学校を作った話をすることです。その思いで、今まで 9 年間、 5 万人以上の子どもたちに教育の機会を届ける活動を続けてきました。
実は今年の4月、15年ぶりにシリアに行くことができました。残念ながら、安全上の問題から、彼女の住む村には数時間しか滞在が許されず、彼女と再会することはできませんでしたが、彼女の家族とは再会し、「また帰ってくるね」と約束をしてきました。
一人ひとりの力が小さいものだとしても、パズルのように力を合わせることで、世界を平和にできる大きなチカラになる。そう信じて「Piece of Syria」という名前をつけました。
目まぐるしく変化する社会情勢で、戦争、差別、環境破壊など、「私たちは無力じゃないか」と感じさせられるようなこともたくさんあります。しかし、私たちは無力ではありません。希望をつなぐ力を、一人ひとりが持っています。一人ひとりの“ひとかけら”の想いが集まれば、きっと国を、そして世界を変えられます。
明日がより素敵になる今日を積み重ねていきましょう!
本日はありがとうございました。
NPO法人 Piece of Syria 代表 中野 貴行
皆さま、おはようございます。
本日はこのような素晴らしい場で、受賞者代表としてご挨拶の機会をいただき、大変光栄に存じます。
Piece of Syriaの代表の中野貴行と申します。まず初めに、このような栄誉ある賞をいただけたことに、心よ
り感謝を申し上げます。
私たちは、シリアで教育支援をしている団体です。
今、この場には私が立たせていただいていますが、私自身の力は微々たるものです。
10年以上続く戦争の中で、自らも傷つきながら、それでも未来に希望を託して活動している現場のスタッフ、大変な中でも「学ぼう」と校舎に来る子どもたち、そして、私たちの活動を応援し続けてくださっている支援者の皆様、活動を共にする仲間たちが主役だと感じています。
また、本日、国内外で本当に素晴らしい活動をされている方々と共に壇上に立っていることを、たいへん誇りに思います。
私たちは2016年に団体を立ち上げ、まだ10年に満たない団体です。活動を続けられたのは、悩んだ時、行き詰まった時に、驚くほど全ての先輩方がいつも親切に相談にのってくださったからです。
「社会にある問題は繋がっていて、一つの団体で解決していくものではない。皆で力を合わせて解決していく仲間だから」と、教えていただきました。もし私がお手伝いできることがあれば、是非お声がけください。
この活動の原点に立ち返る、私自身の最も大切な出会いについて、少しお話をさせてください。
私は小学生の頃に世界の不平等を知り、「世界を平和にしたい」と卒業文集に書き、いつか国際協力に関わりたいと夢見ました。「現実を見ろ」という言葉に夢を見失うことも多かったですが、青年海外協力隊としてシリアで活動をすることで、その夢の一歩を踏み出しました。
当時のシリアは日本よりも治安が良く、医療も教育も無料で質も高い。世界30位の観光客が集まる観光国で、何より旅人を魅了したのは、人々のおもてなしです。バスに乗ったら隣の人がバス代を払ってくれて、タクシーに乗ったら目的地ではなく家に案内されて、ご飯をご馳走になる、なんて話は、シリアに行ったことがある人なら「よ
くあるエピソード」です。
そんなシリアで活動している村で、一生懸命、僕の活動を手伝ってくれる12歳の少女に出会いました。彼女に将来の夢を聞いたところ、「お金持ちになりたい」と言い、理由を尋ねると「お金は天国に持っていけないから、どうやって使うかが大事。私はお金持ちになって、子どもたちの夢を叶える学校を作りたいんだ。そのために、今、勉
強を頑張って、お医者さんになりたい」と教えてくれました。
「きっとできるよ!応援する!」と伝えると、彼女は「あなたのおかげで夢が持てたのよ」と言いました。「夢なんて叶わない、あなたはバカにすることなく、応援するよ、って言ってくれるでしょ。だから夢を持つことができたの」と。
実際、彼女はすごく勉強を頑張って優秀な成績を取っていました。きっと彼女が大きくなった時に、村を、街を、シリアという国、あるいは世界を変えるかも、って思いました。
しかし、僕がシリアから日本に帰った翌年、シリアで戦争が始まりました。その4年後には、彼女が住んでいた村の小学校の校庭は、処刑場になりました。人口の半分以上が避難生活をし、就学率は100%から6%まで低下しました。
いてもたってもいられず、シリア周辺国やヨーロッパ諸国10カ国を半年ほどかけて周り、難民として逃れたシリアの人たちや支援団体の人たちから話を聞きました。
その中で「子どもたちの夢を叶えるための学校を作りたい」と話す、シリア難民の青年と出会い、2016年から彼と共に活動を続けています。
私の活動の夢は、いつか平和になったシリアを訪れ、大人になった少女に「あなたのおかげで夢が持てたよ」と言って、子どもたちの夢を叶える学校を作った話をすることです。その思いで、今まで 9 年間、 5 万人以上の子どもたちに教育の機会を届ける活動を続けてきました。
実は今年の4月、15年ぶりにシリアに行くことができました。残念ながら、安全上の問題から、彼女の住む村には数時間しか滞在が許されず、彼女と再会することはできませんでしたが、彼女の家族とは再会し、「また帰ってくるね」と約束をしてきました。
一人ひとりの力が小さいものだとしても、パズルのように力を合わせることで、世界を平和にできる大きなチカラになる。そう信じて「Piece of Syria」という名前をつけました。
目まぐるしく変化する社会情勢で、戦争、差別、環境破壊など、「私たちは無力じゃないか」と感じさせられるようなこともたくさんあります。しかし、私たちは無力ではありません。希望をつなぐ力を、一人ひとりが持っています。一人ひとりの“ひとかけら”の想いが集まれば、きっと国を、そして世界を変えられます。
明日がより素敵になる今日を積み重ねていきましょう!
本日はありがとうございました。
NPO法人 Piece of Syria
代表 中野 貴行