受賞者

平成26年度

社会貢献の功績

うらかわべてるのいえ

浦河べてるの家

(北海道)

設立者でもある向谷地生良さん(北海道医療大学教授)佐々木実さん(現法人理事長)を中心に、入院にかたよりがちな精神科(統合失調症)の医療から、同病の人と共に暮らし、向き合いつつ「病気の半分は病院で、残りはべてる(浦河べてるの家)で治す」をモットーに昭和59年から30年にわたり活動を続けている。北海道日高管内浦河町の教会内で始まった活動は、昆布の加工、販売や福祉用品の販売、カフェの運営等を行ない自立への道を探る同病者約90人が暮らす共同体(家)となっている。社会福祉法人としての運営や同病の当事者が自ら研究して共に解決方法を考える「当時者研究」等が注目され、年間2,500人以上の見学者も受け入れて海外との交流も始まっている。

推薦者:公益財団法人 社会貢献支援財団
浦河べてるの家 理事 早坂 潔
理事 早坂 潔

社会貢献賞を受賞して

このたびは、栄えある平成26年度社会貢献支援財団「社会貢献賞」を受賞することが出来ましたことを心から感謝申し上げます。

1984年に開設された旧べてるの家(現GHべてる)
1984年に開設された旧べてるの家(現GHべてる)
現社会福祉法人浦河べてるの家本部
現社会福祉法人浦河べてるの家本部

振り返れば、浦河べてるの家の活動は、1978年の統合失調症などを持った若者達の回復者クラブ活動に端を発します。なかなか理解されることの難しく誤解や偏見を持たれやすい精神疾患を持ったことを恥とせず、一人の市民として自分たちなりの成熟を目指してはじまった交流活動は、後に日高昆布の産直起業を通じた地域づくりへの挑戦拠点としての浦河べてるの家の設立につながります。べてるの家は、2002年に社会福祉法人となり、現在、100人以上の様々な障害をもった人たちの就労や社会参加活動の場として活用するまでになりました。

この30年で、地域の過疎化(人口20,000人⇒13,000人)もすすみ、地場の産業(漁業、競走馬の生産、官庁の撤退)の弱体化が進む中で、べてるは「べてるの繁栄は、地域の繁栄」をモットーに、地域で暮らす障害を持つ人たちの就労サポートセンターとして、日高昆布の産地直送やグッズ・出版物の作成販売、コミュニティーカフェの運営、生活サポートセンターにおいては、グループホームや共同住居を整備し、入院患者の地域移行の受け皿としての役割を担い、病床削減(130床⇒10床)にも貢献することができました。

また、病院の敷地管理やスーパーの清掃請負や介護用品事業などの販売を行っている(有)福祉ショップべてるの創設(1993年)、ピアサポーターの育成/派遣、研修事業を担うNPO法人(セルポ浦河)の設立などがさまざまな事業を展開しています。それらの中で、特にべてるの歩みの中で大切にしているのが「当事者研究」(2001年スタート)という自助活動です。従来研究対象とされていた人たちが、逆に自分を研究対象として生活体験の中からテーマを取り上げて実際に研究するという活動は、いまや国内はもとより海外にまで広がりつつあります。

統合失調症などを持つ人たちの自助努力の一環としてはじまったべてるですが、これからも地域の人たちをはじめ、関係者の皆さんのご支援、ご協力を得ながら地域課題の担い手として精進していきたいと願っていますので、ご指導のほどよろしくお願いもうしあげます。

社会福祉法人 浦河べてるの家
理事長  佐々木 実

  • 野菜畑(無農薬・有機栽培)
    野菜畑(無農薬・有機栽培)
  • 野菜畑(無農薬・有機栽培)
    野菜畑(無農薬・有機栽培)
  • べてるの起業の原点である昆布の製造販売部門
    べてるの起業の原点である昆布の製造販売部門
  • 主力の日高昆布などの海産物商品
    主力の日高昆布などの海産物商品
  • 商品の販売コーナーを兼ねた土と藁でつくった「カフェぶら」
    商品の販売コーナーを兼ねた土と藁でつくった「カフェぶら」