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受賞者紹介

平成23年度

特定分野の功績

海の貢献賞
なとりはまぼうふうのかい

名取ハマボウフウの会

(宮城県名取市)

名取市閖上海岸で絶滅したと思われていた海浜植物「ハマボウフウ」が市民らによって発見。その株が地元農業高校に運ばれて実をつけた話を聞き、ハマボウフウの生息する美しいふるさとの海を取戻そうと平成13年に発足。100名近い会員を中心に、海岸に1,000㎡程の保護区を設置、育成に努めている。毎年6月に幼苗の移植会と11月には種まき会を実施。10年を経て「海岸のお花畑」が実現化を目指している。移植会や種まき会は農高生や小中学生、町内会が参加する協働作業にもなっている。
3月11日の東日本大震災の津波により、集落は壊滅
、会員6名が亡くなり、1名の行方が不明、ハマボウフウの保護区も土砂で埋まっている。このような中で、亡くなった会員のためにもとハマボウフウの復活に向け活動を再開させている。

● 推薦者/宮城県 環境生活部 環境対策課
名取ハマボウフウの会 代表 大橋 信彦
代表 大橋 信彦

ハマボウフウに寄せて

平成12年5月、名取ゆりあげ閖上海岸で絶滅危惧種のハマボウフウが発見された。

わずかに生き残っていたそれを、わたしたちは地域内にある農業高校に運び、育成をお願いした。学校の畑に移植されたハマボウフウは、間もなく根付き、翌年には白い花を咲かせた。そしてその年の8月、「名取ハマボウフウの会」が結成された。会員は20名でのスタートだった。

ハマボウフウは海岸の砂地に自生するセリ科の多年草で、光沢のある緑の葉と夏に咲く白い小花、垂直に伸びる根が特徴とされる。昔より季節の食べ物として土地の人に親しまれ、初夏、浜に出て新芽を摘み酢味噌和えにして食べるのが、どこの家でも習わしとなっていた。ある時、ハマボウフウの根が風邪によく効くことが知られ、乱獲された。レジャー用車両の走行や護岸工事がそれに拍車をかけ、現在、宮城県では絶滅危惧種に指定されている。

名取ハマボウフウの会では、「美しく健康な海岸の再生」をスローガンに平成14年6月、海岸の一角に看板を立て防護柵を巡らせたハマボウフウ保護区をつくり、本格的なハマボウフウの育成に乗り出した。また、全国各地の海岸で活動する市民団体と連携して年1回の交流会を実施してきた。一方、名取市の北釜地区に借用した栽培畑では、季節の食べ物として地域の人々に親しまれてきたハマボウフウの生産・販売にも着手し、環境と経済の両立を目指す新たな仕組みづくりにもチャレンジしてきた。

以来10年、"海岸のお花畑づくり"と銘打ったハマボウフウの保護育成活動は着実に成果を上げ、毎年恒例の行事となった移植会や播種会には、農業高校の生徒をはじめ多くの市民が参加している。一方、"潮風のおくりもの"をキャッチフレーズとする栽培畑での新しい食材づくりも、それを調理し、提供してくれる料理店が広がりを見せ、ハマボウフウが「地域の特産物」として話題に上がる日が来るのも、夢ではないかもしれない。

今年6月、名取市では「第2回ふるさと海辺フォーラム」が開催された。海辺フォーラムも名称は、ハマボウフウ交流会をもっと広がりのあるものにしようと石狩市の皆さんが提唱し、昨年より名称を変えることになったものである。

二日間に亘る催しは、ネットワークを結ぶ全国12の団体の参加協力を得て、災害を乗り越える復興記念イベントとしての役割を立派に果たしてくれた。

3月の大震災で失われたものは決して小さくはないが、厳しい状況の中から生まれたものや得られたものもまたあり、それを力に、わたしたちはこれからも海岸での活動を継続していこうと考えている。

  • 海辺フォーラムイベント
    海辺フォーラム イベント
  • 海辺フォーラムイベント
  • 広瀬川流域1万人プロジェクト
    広瀬川流域1万人プロジェクト
  • 春のハマボウフウ移植会と秋の種まき会
    春のハマボウフウ移植会と秋の種まき会
  • 臨空公園栽培畑(震災後)
    臨空公園栽培畑(震災後)
  • 臨空公園栽培畑がれき撤去
    臨空公園栽培畑がれき撤去

The Natori Hamabofu (Glehnia littoralis) Association

(Natori City, Miyagi Prefecture)
The seaside plant, hamabofu, thought to have gone extinct, was discovered on Natori City's Yuriage Beach by local citizens. Specimens were taken to the local agricultural high school, news that they fruited was reported, and this organization was then created in 2001, in order to restore the ocean of this beautiful region inhabited by the hamabofu. The organization's nearly 100 members and others are working to cultivate the plant in a protected area of about 1,000㎡ that has been set aside on the coast. They hold a gathering for transplanting seedlings in June and another for sowing seeds in November. They are aiming to create a "coastal flower garden" over 10 years' time. The gatherings for transplanting seedlings and sowing seeds are cooperative activities in which students from the agricultural high school, middle school students and neighborhood associations all participate.
Due to the tsunami from the Great East Japan Earthquake of March 11, Natori City was ravaged, six members of the association died, one is missing, and the hamabofu protected area was buried in earth and sand. Nevertheless, for the sake of the deceased members, the association is resuming its activities to resurrect the hamabofu.
Nominator: Miyagi Prefecture, Department of Environment and Lifestyle,
Environmental Countermeasures Division