受賞者紹介

平成21年度 社会貢献者表彰

人命救助の功績

くさば だいご

草場 大吾

(32 歳/滋賀県彦根市)
草場 大吾
平成 20 年 11 月 26 日午前 1 時 39 分頃、彦根市で発生した建物火災で、隣家が「火事だ」と知らされ、119 番通報するとともに自宅から持参した消火器で初期消火を試みている時に、建物内に寝たきりの 70 代の男性が取り残されていることを聞き、煙が充満した暗い室内に飛び込み手探り状態の中で男性を見つけ出し、必死に抱きかかえて救出した。
推薦者/全国消防長会

受賞の言葉

身近で発生した住宅火災に対し親子 3 人で対応し、火の勢いの凄まじさに身の震える思いを体験しました。救助に息子は「何も考えず身体が自然に動いた」と言っていましたが、その場に居たら誰でもしたであろう行動が人命救助につながり、このような栄えある表彰までして頂き、代理出席した父としては外国にいる息子に式典の様子や受賞された方々の貴重な話を伝え、「命の尊さと日本人としての誇り」を持って外国でも堂々と生きて行って欲しいとおもっています。ありがとうございました。(父・草場 耕一)

火災現場跡地

11 月 25 日の夜勤を終え、 深夜先に帰宅していた父と談笑していた。二階に上って行った母が慌てて下りて来て、「隣の家が火事よ!」と叫んだのでびっくりした。父が私に「119 番に電話して消防車を呼べ!」と指示したので、私は直ぐに 119 番へ通報した。

その間、父は戸外へ出て「火事だ!火事だ!」と連呼しながら、自治会の消火器を持出し、火災現場に向かった。私は通報を終えた後、家の消火器を持ち、母と共に外に出て「火事だ!」と連呼しながら火災現場に向かった。現場に着くと既に父も着いていて、持って来た消火器を二人で火元に向け噴射したが、アッと言う間に空になってしまった。消防車や救急車も来ず、近所の人も未だ誰も出て来なかった。

父が家の中に誰か居ると思ったのか玄関前に行き、玄関のガラス戸を割り始めた。私が「家の中に誰か居ますか。」と近所の人に聞くと、「おじいさんが中で寝ている。」と聞き、そこで私はその人と一緒に裏口の方へ回り、家の中に入った。

家の中は煙が立ち込めていた。動けないで布団に寝ていたおじいさんを発見し、必死の思いで両腕に抱き上げ戸外へ運び出した。その間大分煙を吸い込んだ。消防車や救急車が来るまでの間、炎の勢いは物凄くて随分時間が経った様に感じた。救急車が来たので、救急隊員にあとの処置を依頼した。

深夜であったが、たまたま我が家が夜勤の関係で起きていた事と、母も遅くまで起きていたのが偶然にも早い発見に結び付き救出につながった。

私自身無我夢中で行動し、救出の際煙も吸い、おじいさんを抱えた両腕もこわばっていた。近所への延焼や怪我人も出なくてほっとした。

救助活動直後の草場さん親子
協力者のご両親

Mr. Daigo Kusaba

(32 years old, Shiga, Japan)
On November 26, 2008, Mr. Kusaba tried to extinguish a fire that had broken out in a house in Hikone, but his fire extinguisher did not work. Hearing that a 70-year-old bedridden man was still inside he entered the burning house and rescued the man from his smoke-filled room, thus saving his life.
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