公益財団法人 社会貢献支援財団
受賞者代表・ NPO法人熱帯森林保護団体(RFJ) 代表 南 研子 さん
皆様こんにちは。熱帯森林保護団体代表の南研子です。
実は今、皆様の色々なご活動を見て、私は全く違う畑というのか、現場が日本ではありませんが、根っこは同じなのではないかと思いました。
1989年にイギリスの歌手のスティングという人が、アマゾンの森がこのままでいくと大変なスピードで無くなってしまうと、アマゾンの長老と一緒に来日して仲間になってくれないかということで私たちの活動は始まりました。
アマゾンには電気もガスも水道もない、トイレもお風呂もない。最初に行ったときはみんな真っ裸でした。まるで異次元に来たような、でも本来ならばここの人たちはここで幸せに暮らしていればいい、なぜ私たちが2万キロも遠いアマゾンに行って森を守る活動をしなければならないのかと思いました。
私は35年35回2,000日以上、電気もガスも水道も無い、トイレもお風呂も無いようなジャングルで一緒に支援活動をします。でも、本日の皆様のお話にあるような問題が何もないのです。アマゾンには寝たきりのお年寄りもいない、認知症の方もいない、差別もいじめもない、自殺もない。私たちは発展して、幸せに生きるはずの社会を作るはずだったのに、文明とは何なのだろうとつくづく思いました。
本来、私たちはひとりひとりが幸せからこぼれないで暮らしていく社会を目指していたはずが、ほとんどがこぼれていく。私も長年活動していますが、解決策は見つかりません。ただ、アマゾンの森で採れたもの、例えば大豆や牛肉といったものが私たちの食卓に並びますが、それは2万キロも離れているアマゾンの森と私たち日本の暮らしと密接につながっているということです。目先のものを考えなくてはいけないけれど、目先のものはこんなに遠くのものまでつながっているのです。
うまく説明はできませんが、文明は進歩しているのになぜこんなに色々な問題が起きてしまうのか。それこそ電気も水道もないところでは寝たきりのお年寄りもいない、文字もありません。貨幣制度もまだ入っていません。矛盾ですね。お金が無いところを支援していくためにお金が必要になる矛盾も抱えています。しかし35年経ってもまだまだ解決の術がわかりません。
片手は自分の幸せ、もう片手は誰かのためにとっておく。自分を幸せにできない人は、人を幸せにすることなどできないと思います。これが今日皆様のお話を伺って感じたことです。最初にも言いましたが、2万キロ離れたアマゾンの問題も日本の抱える問題も根っこは同じなのだと皆様のお話を伺っていて感じました。ほんの少しの優しさでひとりずつが他者のために手を貸す、ひとりが10人、10人が100人に手を貸す、そのように諦めないで続けていけば良いと思います。
アマゾンの森は年間東京ドーム28万個分が無くなっています。毎年現地に行くと開発で森が無くなっている。地球の酸素の供給源でもあるアマゾンの森。酸素が無くなると人間は3分で死ぬといわれています。非常に身近な問題ですけれどもここから遠いアマゾンの森の気候変動に影響しています。
以前はアマゾンの森も、こんなに暑くありませんでしたが、昼間は気温が50度になりました。夜は10度。寒暖の差が40度、湿度は10%以下なのです。日本でも気候変動で洪水が発生したりしていますが、アマゾンでは森林火災が発生しています。「未だかつてない気候変動」と耳にタコができるくらい聞かされています。私たちは何かの気づきを、また天は何かの警鐘を鳴らしていて、それをひとつひとつ丁寧に受け止めて、それぞれの立場で問題に取り組んでいくしかないと思います。
私はほとんどアマゾンに行っていますので、今日はいろいろな方と出会えるとても良い機会をいただいたと思っています。また名誉ある賞をいただいてこれからもなお精進していきたいと、頑張ろうという気持ちになりました。
本日はありがとうございました。
NPO法人熱帯森林保護団体(RFJ) 代表 南 研子
皆様こんにちは。熱帯森林保護団体代表の南研子です。
実は今、皆様の色々なご活動を見て、私は全く違う畑というのか、現場が日本ではありませんが、根っこは同じなのではないかと思いました。
1989年にイギリスの歌手のスティングという人が、アマゾンの森がこのままでいくと大変なスピードで無くなってしまうと、アマゾンの長老と一緒に来日して仲間になってくれないかということで私たちの活動は始まりました。
アマゾンには電気もガスも水道もない、トイレもお風呂もない。最初に行ったときはみんな真っ裸でした。まるで異次元に来たような、でも本来ならばここの人たちはここで幸せに暮らしていればいい、なぜ私たちが2万キロも遠いアマゾンに行って森を守る活動をしなければならないのかと思いました。
私は35年35回2,000日以上、電気もガスも水道も無い、トイレもお風呂も無いようなジャングルで一緒に支援活動をします。でも、本日の皆様のお話にあるような問題が何もないのです。アマゾンには寝たきりのお年寄りもいない、認知症の方もいない、差別もいじめもない、自殺もない。私たちは発展して、幸せに生きるはずの社会を作るはずだったのに、文明とは何なのだろうとつくづく思いました。
本来、私たちはひとりひとりが幸せからこぼれないで暮らしていく社会を目指していたはずが、ほとんどがこぼれていく。私も長年活動していますが、解決策は見つかりません。ただ、アマゾンの森で採れたもの、例えば大豆や牛肉といったものが私たちの食卓に並びますが、それは2万キロも離れているアマゾンの森と私たち日本の暮らしと密接につながっているということです。目先のものを考えなくてはいけないけれど、目先のものはこんなに遠くのものまでつながっているのです。
うまく説明はできませんが、文明は進歩しているのになぜこんなに色々な問題が起きてしまうのか。それこそ電気も水道もないところでは寝たきりのお年寄りもいない、文字もありません。貨幣制度もまだ入っていません。矛盾ですね。お金が無いところを支援していくためにお金が必要になる矛盾も抱えています。しかし35年経ってもまだまだ解決の術がわかりません。
片手は自分の幸せ、もう片手は誰かのためにとっておく。自分を幸せにできない人は、人を幸せにすることなどできないと思います。これが今日皆様のお話を伺って感じたことです。最初にも言いましたが、2万キロ離れたアマゾンの問題も日本の抱える問題も根っこは同じなのだと皆様のお話を伺っていて感じました。ほんの少しの優しさでひとりずつが他者のために手を貸す、ひとりが10人、10人が100人に手を貸す、そのように諦めないで続けていけば良いと思います。
アマゾンの森は年間東京ドーム28万個分が無くなっています。毎年現地に行くと開発で森が無くなっている。地球の酸素の供給源でもあるアマゾンの森。酸素が無くなると人間は3分で死ぬといわれています。非常に身近な問題ですけれどもここから遠いアマゾンの森の気候変動に影響しています。
以前はアマゾンの森も、こんなに暑くありませんでしたが、昼間は気温が50度になりました。夜は10度。寒暖の差が40度、湿度は10%以下なのです。日本でも気候変動で洪水が発生したりしていますが、アマゾンでは森林火災が発生しています。「未だかつてない気候変動」と耳にタコができるくらい聞かされています。私たちは何かの気づきを、また天は何かの警鐘を鳴らしていて、それをひとつひとつ丁寧に受け止めて、それぞれの立場で問題に取り組んでいくしかないと思います。
私はほとんどアマゾンに行っていますので、今日はいろいろな方と出会えるとても良い機会をいただいたと思っています。また名誉ある賞をいただいてこれからもなお精進していきたいと、頑張ろうという気持ちになりました。
本日はありがとうございました。
NPO法人熱帯森林保護団体(RFJ)
代表 南 研子