受賞者紹介

平成20年度 社会貢献者表彰

社会貢献の功績

カンボジアじらいてっきょキャンペーン

カンボジア地雷撤去キャンペーン

(福岡県)
カンボジア地雷撤去キャンペーン 代表 大谷 賢二
代表 大谷 賢二
平成10年にNGOを設立以来、カンボジアで支援の手が行き届かない、多くの地雷が残る、電気もない地域を中心に地雷撤去と地雷被害者救済の活動を続けられるなかで、地雷原の村に小学校も建設した。また、同国で初の試みとしてラジオを使った地雷被害者のメンタルサポートを実践し、多くの地雷被害者に障害に負けずに生きる勇気と希望を与えられている。

受賞の言葉

活動を通して、日本の子ども達が、厳しい状況にあるアジアの人々のために何かをしようとする姿に感動を覚えています。世界遺産「アンコール・ワット」で賑わうカンボジアのタイ国境付近には、今でも多くの地雷が残され、毎日のように被害者が出ています。今回の受賞を機に1人でも多くの人にそのことが伝わり、支援の輪が広がれば本当に嬉しく思います。関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

手作業の様子

大谷さんは広告イベント会社を経営しながら、世界の各国へ旅行をしていた。そしてカンボジアを訪問した際、手足のない人、目の見えない人があまりに多いことに衝撃を受け、その原因が地雷である事を知ったことが活動のきっかけとなった。

調べるうちに、当時1平方メートル当り75セント(約100円)で地雷原をきれいにできることがわかり、これならば小学生による支援でも協力できるのではないかと、帰国後の平成10年周囲の賛同を得て地雷問題解決を実践する「NGOカンボジア地雷撤去キャンペーン」「(CMC)」を結成し、代表となった。

本部を福岡市に置き、結成以来、同国で支援の手が行き届かない、地雷が多く電気もガスもない、世界で最も地雷被害の多い地域といわれる、同国のバッタンバン州での地雷の撤去活動と被害者の救済活動を始めた。
同州には事務所を置き、日本から職員を派遣し、現地のパートナー(NGO)を支援し撤去活動をしている。現地の住民の話をよく聞きながら活動を行ない、限られた資金を有効に使っている。80パーセントを機械で撤去し、残った20パーセントを手で除去している。

地雷の撤去活動を行なうなかで、村人からの切実な声により同州のボップイ村に16年に小学校、20年にはバンティアイミエンチャイ州のコーントライ村に中学校を1校づつ建設し、自ら運営している。

また、17年からは、世界初の試みとして、同国内にラジオを使っての地雷被害者の心のケア活動を実施しており、現在は週1回1時間のラジオ番組を現地の局アナ、「CMC」のスタッフ、地雷被害者のゲストとにより、放送している。この活動は、地雷被害者に生きる勇気と希望を与えるとともに健常者の障害者に対する差別の解消や被害者の経済的自立に繋がる仕事の紹介、更には地雷被害の回避に向けた広報の役割まで果たしている。

このような、「CMC」の活動を展開するため、日本国内では地雷被害や同国の貧困などを知らせるために写真展、講演会、街頭キャンペーン(募金活動)、チャリティコンサートやチャリティ野球など様々なイベントを実施している。特にプロ野球のソフトバンク球団の支援による、同球団のヤフードームでの年2回分の試合のチケット販売の一部から得られる収益は、「CMC」活動費の多くを占めている。

大谷さんは「同国のパイリン、バッタンバン、バンティアイミエンチャイなどの各州の地雷除去活動を知ってもらい、地雷がなくなることが大事。今後は、地雷被害者の職業訓練にも取り組んで行きたい。」と活動を続けている。

(功績の概要・推薦者:田口 陸奥男)
撤去された地雷等
ラジオ放送のチラシ

Cambodia Mines-remove Campaign

(Fukuoka Prefecture)
There still exist many landmines in the remote areas in Cambodia. In such areas where there is no electricity and less help has been extended, this NGO has been working to remove the landmines and to support the victims. They built primary schools in such villages and initiated radio services to support mentally those landmine victims to live with courage and hope.
Recommended by: Mr. Mutsuo Taguchi