トップページ > 受賞者について > 平成25年度受賞者一覧 > ホーチミン市ストリートチルドレン友の会

受賞者

平成25年度

社会貢献の功績

ホーチミンしストリートチルドレンとものかい

ホーチミン市ストリートチルドレン友の会

(三重県)

ベトナム人新聞記者であったチャン・ヴァン・ソイ氏がホーチミン市中心街にストリートチルドレンが多くいることを目にし、子どもたちが教育を受けられるようにしてあげたいと思い、1984年に無料授業が受けられる施設を設立。学校運営と子どものたちの生活の場の提供、能力開発、レクリエーション活動、職業訓練、奨学金・里親制度、子どもや家族の健康管理や社会心理面でのケア、ソーシャルワーカーの研修を行うようになった。現在7カ所の「能力開発センター」を運営し、約1,300名の子どもたちのケアをしている。

推薦者:公益財団法人 社会貢献支援財団
ホーチミン市ストリートチルドレン友の会 代表 チャン・バン・ソイ
代表 チャン・バン・ソイ
ホーチミン市ストリートチルドレン友の会 代表 吉井 美知子
代表 吉井 美知子

1993年、民間企業の駐在員としてホーチミン市に住み始めた私は、友人からストリートチルドレン施設を経営するベトナム人男性を紹介された。寄付を始めたのがきっかけで定期的に会うようになり、最後には結婚してしまう。ほそぼそと2ヶ所の施設で40人ばかりの子どもたちのケアをしていたのが、ドイモイの本格化とともに資金が増えNGOを自称する団体を設立、現在では子ども1,200人を擁するローカルNGOになったのが「ストリートチルドレン友の会」(FFSC)である。

NGOの運営には、子どものケア方法など活動内容そのものに関すること、活動のための資金調達、人員の確保など、さまざまな頭の痛い問題がつきまとう。これらは日本であれベトナムであれ、市民団体にとって共通の課題であろう。しかしベトナムでは、そして特にFFSCにおいては、政治的安全性の確保という大変な問題につきまとわれての歴史であったし、それは現在も続いている。

FFSC創始者のチャン・ヴァン・ソイ(Tran Van Soi)は、共産党員ではないベトナムの一市民である。過去の履歴で人を色分けする習慣のある社会主義国ベトナムで、カトリック教徒であり家族が大勢アメリカに移住しているという立場で、NGO活動はいくら純粋に子どもたちのための活動であってもなかなか認めてもらえない。それどころか、NGOが開講する子どもたちの無料授業にはしばしば当局から停止命令が出され、施設には閉鎖命令が出される。過去には施設を国に乗っ取られて、寄宿していた子どもたちを街路に戻さざるを得なかったこともあるし、団体自体の閉鎖命令が出たこともある。そのたびに場所を変えて再開したり、取りなしに走り回ったり・・・。

そんななかで団体を設立してから20年もの間、活動を継続することができた。創始者やスタッフの努力のおかげもあるし、共産党員のなかでも実績を認めて個人的に応援してくれた人たちのおかげでもある。そして多くの、貴重な、本当に貴重な日本人を始めとする外国の支援者の方々のおかげである。

このたびFFSCは社会貢献支援財団より社会貢献賞を頂いた。今までベトナムの政府や公的機関から、活動抑制につながるお達しを受けたことはあっても、あまりお褒めに預かった経験はない。FFSCが社会に送り込むことができた子どもたちに代わり、また社会問題の解決にわずかでも貢献してもらったはずの地元政府に代わり、日本の団体が代理でご褒美を下さったのだという理解で、ありがたく頂戴した。と同時に、忙しいなか受賞式に駆けつけてくださった支援者の皆さん、駆けつけられなくても受賞を知って我がことのように喜んで祝福してくださった皆さんに、団体スタッフと子どもたちに代わり、心よりお礼申し上げる。

吉井 美知子