受賞者紹介

第57回 社会貢献者表彰
われらかいがんたんていだん

われら海岸探偵団

(福岡県)
われら海岸探偵団 団長 竹内裕二
団長 竹内 裕二

2001年5月13日、海が好きな人を中心に30人が参加して若松区脇田海岸で初めての海岸清掃を行い、ごみ袋90個500㎏の海洋ごみを収集した。今年の5月で結成から20年を迎え、荒天及び、コロナ禍における自粛要請期間を除いては毎月1回実施し、活動回数は200回を超え、延べ9,100人以上が参加、これまでに176.4tを超える海岸ごみを収集した。北九州市からの支援を受けてハンドブック「海はともだち」を制作・配布し、漂着ごみのことや離岸流など海の危険についても分かり易く、親子で話す機会の創出に努めている。自然環境を守るには、年間を通じた自発的な活動が必要であるため、年間の活動日程をHPで告知(小雨決行、荒天中止)し、参加のハードルを低くして習慣化する仕組みを作った。この習慣は地域にも広がり、漁協や周辺施設の職員が自主的に参加し始め、今や当たり前のようにごみを拾い片づけている。海岸のごみにも20年間で変化がみられ、活動当初は、大陸から流れてくるポリタンクなどが目についたが、漁網や発泡スチロールが目立ち始め、やがてマイクロプラスチックの小さい破片へと変化している。

この度は、栄誉ある「社会貢献者表彰」を受賞しましたこと、心からお礼申し上げます。私どもが長年行ってきた活動をお認めいただき、感謝の念に堪えません。この気持ちは、毎月活動している団員や、常に側面から応援していただいている関係諸団体、関係者の皆が、大変嬉しく思っています。

私どもの海岸清掃は、2001年5月に始めたものです。当時の日本社会の中には、環境に対する市民の関心が、今のように強くない時期でした。当然、SDGsといわれる言葉もありません。私たちは、そのような時期から無意識のうちに「持続可能な社会づくり」という国際社会のキーワードを念頭に置いた取組み展開をしてきました。さらに、この清掃は、行政主導ではなく「市民の立場」から「地域」を変えていくことを当たり前の理念の下、粛々と続けてきました。そこには、誰かに認めてもらいたいといった欲望的な想いなどなく、純粋に自分たちの住む地域の美しい自然海岸を次世代に残したいという一心で、海が好きな人が集まって活動をしているだけです。

このようなことを申せば、単なる海岸清掃団体と思われがちです。私たちは、そのように思っていません。丘の上からできる海難防止に取り組んでいると自負しています。具体的には、日本海側に面した海岸の特徴として、大型船を牽引する巨大ロープを代表に漁具やテレビ、冷蔵庫、タイヤといった大型ゴミが海岸に打ち上げられます。私たちが、それらを回収しなかった場合、満ち潮の時、再度沖へ流されます。そのゴミは時として、大型船舶のスクリューに巻き込み、座礁事故の原因になります。小型船舶であってもエンジンを冷却するための海水吸引の際、小さなゴミを大量に吸引することで海水を汲み上げられずに故障してしまうこともあります。つまり、それらの事故は、経済的損失、自然破壊(例えば原油流出)と直結しており、時に尊い人命を失うことになります。私たちは、それらの悲しい出来事を起こさないためにも丘からできる事故防止、人命救助を行うことが活動の真意です。

今回の受賞を励みに、今後も丘から出来る海難事故防止に向けた活動を行っていきます。その延長線上として、次世代を担う子どもたちに環境美化の大切さを継承していくといった持続可能な社会の実現を目指し、民間団体の立場から、市民・産業・行政とのパートナーシップのもと、さらにこの活動を広げていきたいと思います。

団長 竹内 裕二

  • 流木の回収
    流木の回収
  • 流竹材の回収
    流竹材の回収
  • 冷蔵庫の回収
    冷蔵庫の回収
  • 集合写真
    集合写真
  • ロープの回収
    ロープの回収
  • 回収する団員
    回収する団員
  • 漁具の回収
    漁具の回収
  • 子どもの参加
    子どもの参加
  • 大きなタンクの回収
    大きなタンクの回収
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