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受賞者

平成25年度

社会貢献の功績

チェルノブイリいりょうしえんネットワーク

NPO法人
チェルノブイリ医療支援ネットワーク

(福岡県)

1990年に設立され、2007年にNPO法人となった団体で、これまで23年に亘り会員からの募金で、チェルノブイリ原発事故により被曝したベラルーシ共和国住民に対し支援を行っている。当初はベラルーシ国内に転地療養施設を開設して子どもたちの保養を行っていたが、1997年からは現地における「小児甲状腺がんの早期診断・治療システム」の確立のため専門家を派遣し、両国専門家による共同検診チームにより甲状腺検診を行っている。2009年からは日本医科大学・清水一雄教授指導の下、傷跡の残らない甲状腺内視鏡手術をはじめとする医療技術支援を行っている。

推薦者:公益財団法人 社会貢献支援財団
NPO法人 チェルノブイリ医療支援ネットワーク 理事長 河上 雅夫
理事長 河上 雅夫

1990年、チェルノブイリ原発事故の被災者の状況が伝えられるようになると、各地で何とか支援したいという動きが始まりました。そして、九州各地のメンバーが中心となってチェルノブイリ支援運動・九州が結成されました。最初は救援物資を航空便で送ったのですが、途中で行方不明となるトラブルが発生して、その後は自分たちが運ぶことにしたのです。

ベラルーシでの甲状腺内視鏡手術
ベラルーシでの甲状腺内視鏡手術

92年からはベラルーシ国内の非汚染地に転地療養施設を開設して、延べ2,700人の子どもたちの保養を行っていましたが、現地から小児甲状腺がん多発の情報が届くようになって、1997年からは甲状腺がんの「早期発見・治療システム」確立のため、専門家を派遣し、両国専門家による合同医療チームにより甲状腺検診を行うなどの、被曝者支援の医療活動を続けています。これは、首都から遠く離れた地方では十分な検診を行うことができず、手遅れになったり、事前の検診なしで手術したために不要な手術を受けたりするという例があり、地方都市での自立した検診・治療体制を作りたいとの思いからの活動でした。

甲状腺がんの検診では首に注射針を刺して細胞を取り出す吸引穿刺という技術が不可欠ですが、この吸引穿刺をはじめとする検診技術の向上のための支援を続けました。そして、支援開始から10年ほどで見違えるほどの検診技術の進展がありました。当初は日本人医師の検査を後ろから見るだけだったものが、日本人と遜色ないかそれ以上の技術を有するようになったのです。

ベラルーシの甲状腺がん手術では首のまわりを大きく切るために、傷跡が残ってチェルノブイリネックレスとも呼ばれ、若い女性などには大変つらい手術となっています。そこで、2009年からは傷跡の目立たない甲状腺内視鏡手術を開発された日本医科大学の清水一雄教授を検診に参加していただき、ベラルーシでの甲状腺内視鏡手術を普及するための活動を行っています。現在までに、清水先生によって9例の甲状腺内視鏡手術を行い、また、ベラルーシの医師による手術も30例近くになるなど、徐々に甲状腺内視鏡手術が広がってきました。
福島原発事故の発生から2年が経過し、甲状腺がんへの関心が高まっています。私たちがベラルーシで培った支援の成果を福島で活かせる時が近づいていると確信しています。

今回の表彰によって、我々の活動が多くの人々の目に留まり、支援の輪が広がっていくことを期待しております。今回は大変ありがとうございました。

NPO法人 チェルノブイリ医療支援ネットワーク
理事長 河上雅夫

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