受賞者紹介

平成17年度 社会貢献者表彰

第三分野/特定分野の功績

海の貢献賞
やぎ ひかる

八木 光

(昭3. 2.10生)愛媛県宇和島市
八木 光
船舶エンジンルームの配管工として研鑽に努め、厳しい作業環境の中で設計から部品製作、取付まで一人で出来る数少ない技術者として、多年にわたり我が国の造船業の発展と後進の指導に尽されている。
推薦者:(社)日本中小型造船工業会

受賞の言葉

好きな仕事をやって来て、なを、今回は、この様な栄誉ある素晴しい賞を頂き、大変嬉しく感謝しております。これからも同僚達と共に仲良く技術向上に頑張って行きたく思っております。
関係者の皆様方に厚くお礼を申し上げます。有難うございました。

船舶配管の輸送物は、空気・清水・海水・汚水・蒸気・燃料油・潤滑油・油圧作動油・貨物油等と多彩であるため、造船配管工は各輸送物に応じた多様な配管を取り扱うことになる。機関室などの狭隘部では、曲面外板に沿う複雑

船舶内の配管工事
な形状の配管が多いこと、溶接による船体の縮みを考慮する必要があることなど陸上の配管に較べ制約が多く、船内作業で型取り、切断、曲げ、溶接を行って管部品を製作し取り付けることも必要になる。その全てをこなすことが出来るようになるには20年以上の経験が必要と言われる。しかし、設計には、経験年数の長さとは別に船体空間を理解・イメージする能力が必要とされ、誰にでも出来るというものではない。

八木氏は、エンジンルームの配管に従事すること50年を超え、その技能は自らの才能と努力で身につけたものである。管部品製作では図面から管の一つ一つを「一品図」に書き取る手法を用い、正確で早い作業を行う。設計から管部品製作、取り付けまで一人で出来る技能者は殆どいないのが現状であり、今や衆人が認めるこの分野の第一人者である。

氏が地域の造船下請業者のリーダーとして、元請会社はもとより協力会社の多くの人々から「八木さん」の愛称で敬愛の念をもって慕われているのも、苦労して身につけた技能を地域造船業発展のために惜しみなく提供し、自社・他社の分け隔てなく後進の指導育成に努めているからに他ならない。

工場内のパイプ加工
複雑な船舶内の配管
設計図を見ながらの配管作業

Mr. Hikaru Yagi

(Born on February 10, 1928) Ehime Prefecture
Mr. Yagi has contributed to the shipbuilding industry of our country over many years as a rare kind of engineer who, alone in severe working conditions, can design, manufacture and attach various ship piping for conveying a wide array of substances, such as air, steam, water, and oil.
Recommended by The Cooperative Association of Japan Shipbuilders