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受賞者紹介

平成11年度  第一部門(緊急時の功績・日本財団賞)
やまうち じゅんじ
山内 純二
(昭和21. 9.13生・神奈川県横浜市)

功 績 内 容
 平成11年7月23日午前、新千歳空港行き全日空ジャンボ機が羽田空港を離陸直後、刃物を持った男にハイジャックされた。
 同機に乗り合わせていたエアバス機長の氏は、運航乗務員を統率し操縦室内に突入して男を取り押さえた。氏が操縦桿を引き上げ機体を上昇させて墜落を回避、500名余の生命を奪いかねない大惨事を間一髪で防がれた。

 【協力者6名】
   樋口 勤、高木博成、岩井義明、古賀和幸、西潟宏明、須釜大輔。



 全日空61便(乗客503名、乗員・長島直之機長以下14名)は、新千歳空港に向けて羽田空港を離陸した直後の7月23日午前11時25分頃、刃渡り19cmの文化包丁を持った男にハイジャックされた。男は古賀副操縦士に操縦室から出ろと脅し、古賀氏はやむなく客室に出た。

 機長は男を逆上させないように懸命に説得、男の指示する航路をとり続けた。千葉から伊豆大島上空、茅ヶ崎、相模原へとジャンボ機は航路を大きくはずれて迷走を続けた。千葉上空で3000mを超えていたジャンボ機は、相模原では約900mに高度を下げていた。
 同機に乗り合わせていたエアバス機長の氏は、古賀氏と乗務員からハイジャックの通報を受け、乗り合わせた全日空社員(運航乗務員)らを統率し、事件解決のため操縦室付近で待機した。
 同11時50分頃、横田基地上空付近を航行中に、男は包丁で機長の首などを刺して自ら操縦桿を握り、都心方向に旋回しようとした。このためジャンボ機は、高度約300mにまで急降下、住宅密集地に墜落する危機にさらされた。
 同58分、ジャンボ機が地表に異常接近している警報を聞いた氏は、同機の墜落を防ごうと、古賀氏や全日空社員5名とともにドアを蹴破って操縦室に突入した。操縦桿から離れない男の腕を叩き、羽交い締めにして客室に連れ出し縛り付けた。
 氏が操縦桿をようやく引き上げて、機体を上昇させた。操縦室への突入からジャンボ機の機体を立て直すまでに、約4分かかった。男を操縦室から連れ出した後、古賀氏が操縦を交代して午後零時14分、ジャンボ機は無事、羽田空港に着陸した。

 乗客・乗員500名余の生命を守るため、自らの危険を顧みず犯人の逮捕に立ち向かった氏たちの行動は、職務を越えた尊厳な行為として賞讃に値する。
 しかし、乗客の安全確保のため犯人を説得し続けた長島機長は、犯人の凶刃によって惜しくも殉職された。
(事務局推薦)