社会貢献支援財団

こども読書推進賞

受賞者紹介


第3回「こども読書推進賞」受賞者紹介

代表・丸山 明栄氏 増岡 桂子氏
【受賞の言葉】
帰国子女のための最初の英語文庫開設から26年、日本社会の多民族多言語状況、国外で生活する日系バイリンガルの子ども達の数の増加により、文庫の役割はますます大きくなってきています。多様化していく文庫のニーズを捉えサポートしていくことは、ICBAにとり大きなチャレンジですが、今回の受賞を推進力に多言語多文化社会に生きる子ども達をもっと応援していきたいと思います。
こくさいじどうぶんこきょうかい
国際児童文庫協会(東京都新宿区)



海外帰国児童が身につけた語学力と異文化理解を育み、海外在住の日本人児童と国内在住の外国人児童にそれぞれの母国語の絵本や物語を通して自国文化に親しませる国際児童文庫活動を支援育成されている。
【推薦者】 亀田 邦子

International Children's Bunko Association
Tokyo Prefecture

Over the course of many years, the activities of the International Children’s Bunko have fostered an understanding of the foreign cultures of children returning home from overseas through reading in a foreign language, in order to raise internationally-minded people. In addition, they have helped Japanese children living overseas and foreign children living in Japan learn about their own country’s culture through picture books and tales in their native language.
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協会スタッフ
 最初の国際児童文庫(IC文庫)は、英国人ダン夫人と日本人の母親が5人の帰国児童を対象に1977年東京目黒区に設立した「だんだん文庫」である。帰国児童が身につけた英語力と異文化理解を育み、将来の国際人を育てるため、ダン夫人は自宅を開放し、当時入手困難な贅沢品であった英語の絵本や本を集めた文庫を開設した。そこでは英語の本を中心に据え、一緒に読み合い、話し合い、そこから派生した活動も取り入れていった。この活動がマスコミで紹介され、空きを待つ子どもの数は120名を超えた。文庫は出来るだけ子どもの生活圏内にあったほうがよいとの考えから、1979年に同目的の文庫新設と活動を支援する国際児童文庫協会が発足した。

カードを使ったゲーム

 その後、帰国子女に止まらず、日本に住む外国の子ども、海外に住む日本につながる子ども達のために母語の本を揃え、自国語で読む楽しみを与え、質の高い絵本や物語を通して古今東西の文化を学び、自国の言葉や文化を身につけさせるところにまで文庫の対象は広がっている。現在、国内では英・仏・独・西語の13文庫が活動しており、海外では、英・米・豪・中・伊・独・伯の各国に27の日本語文庫が活動している。原則は、子どもが住む社会の公用語以外の言語での文庫活動である。

 国際児童文庫協会は、こうした文庫の開設を支援し、良書を選んで送り届け、文庫間のネットワークを維持して相互の連携と理解を深める環境を整備している。具体的な活動内容は、(1)文庫開設の際のウエルカムパック30冊の準備と送付、(2)文庫運営の援助と蔵書の選書・購入の支援、(3)本に関する情報の提供、(4)ニュースレター発行、(5)講演会・ワークショップの開催、(6)ホームページの管理、などである。同協会は、IC文庫会員、サポート会員からの会費と、趣旨に賛同する団体、出版社、児童文学者、教育・図書館関係者、企業等の協力により運営されている。


読書会の様子

外国語での読み聞かせ