表彰式典

平成24年度 「東日本大震災における貢献者表彰」表彰式典(於:帝国ホテル東京)

受賞者代表挨拶

受賞者代表・株式会社八木澤商店 会長 河野 和義 さん

受賞者代表・株式会社八木澤商店 会長 河野 和義さん

ご紹介いただきました、岩手県の陸前高田、八木澤商店の会長の河野でございます。
二百年の歴史がたった6分間で何にもなくなりました。

私ども八木澤商店は、残念ながら、一時は全員助かっていたのですが、一人だけ消防団活動で、水門を閉めに行って亡くなりました。

残った者で、全国から頂いた支援物資を、今までの二百年の御礼のつもりで、支援物資が行き届かない所へ届けようという運動をいたしました。その時、私たちは基本方針に三つを掲げました。
ひとつ、生きる。
ひとつ、共に暮らしを守る。
ひとつ、人間らしく、魅力的に。
そういうことで、活動したのですが、今日の表彰を受けた方々の立派な活動を聞いていて、私がこんな代表の挨拶をしてよいのだろうか、ただ地域にとって当たり前の事をしただけなのに。

しかし、私はこの震災で価値観を変えました。今まで「合理的じゃない」あるいは「高い」とか「もうからない」とか、そういうことで挑戦しなかったことに、これから挑戦していきたいと思います。それは自然エネルギーで、自分たちで、全部は無理でも少しでも自分たちでエネルギーを作り出そう、電気を作り出そうという気になりました。

私は、会社は一人の解雇もせずに、息子に社長を譲りました。これから私は地域の事を考えていきたいと思います。孫やひ孫に顔向けできない地域は作れない。これから私ども、今地域で読まれている詩を読ませて頂きます。

おらあやっぱりこごがいい
大津波で全部なぐなっても
地震でばっこっされても
やっぱこのまちが好ぎだ
やっぱこごに居だい
こごぁ一番だ
二度ど同じけしぎぁは見られねぁども
二度ど同じ建物ぁただねぁべども
おらどの目にぁしっかり焼ぎついでいる
わっせるごどねぁ あの景色
おらどの街
やっぱりこごがいい

ありがとうございました。

株式会社八木澤商店
 会長 河野 和義